I find.

浮かんだ言葉を綴ります。

虚しさが。

虚しさが去来するのは
足りぬものがないから
 
何かが欠けていないと
ぼくらは追わない
追わぬ日々を
ぼくらは安穏と立ちゆけない


望みあってこその生命
生命を保つためには
追い続ける


足り過ぎてはいけない
その先に何もなくなるから
欲しいものがない世界で
ぼくらは生きてはゆけないから


きっと そういうふうに ぼくらはできている

誰かを 想うこと。

誰かを 想うこと
生きていくというのは そういうこと
自分ではない誰かを ふと 想うこと
割と 一人でもどうにかなるこの頃だけれど
そうではなくて
誰かと 願って 共に過ごすということ


蔵書の多すぎる本屋から 一冊の本を探すように
いまだに見つけたことのないクローバーを庭先に探すように
地球上に爆発的に溢れた人の中から 
たった一人の 誰かを探すように
一つの時間を 敢えて共生するということ


急速に小さくなった地球が
いつか 宇宙の摂理に逆らって
リンゴのように落下するとき
わたしは まだ ひとりきりなのだろうか

引き潮のように。

引き潮のように
満ち潮のように
悲しみは 絶えず繰り返すから
もう そんなものだと
体内のリズムに組み込んでしまって
そっと 労りましょう
誰にも知られないように
そっと うつむきましょう
今日 この時だけだと
そっと 涙を流しましょう


やがて 
月が満ちるように
月が欠けるように
喜びも 絶えず繰り返すから
もう こんなものだと
体内のリズムの組み込んでしまって
もっと 微笑みましょう
誰かと手を取り合って
もっと 語りましょう
今日 続く限りこの日を
もっと 祝福しましょう


わたしのこの身体には
わたしだけの時間が
静かに 静かに 流れているのです