I find.

浮かんだ言葉を綴ります。

向日的なぼくらの日常。

輝く太陽の下で生きるぼくらは
決して 絶望しない
そのまばゆく強すぎる光に 目を逸らすことはあっても
身体中で受ける 曇りなき青さが  
再び ぼくらに 無尽に広がる空を 望ませる
語りかけてくる あの声が 聞こえますか?
さあ、おいでよと 朗らかに 響き渡る
その声を 感じれば いつだって ぼくらは 動き出す


でも 
墨のような全くの暗さが 訪れる度 ぼくらは 不安になる
地に映る曇天の下 重たく垂れこめる厳しさに出会い
降りしきる雨の中 溢れ出す涙とともに 濁った泉を創る
地上の廃棄物を 全て掃き出すつもりの風に 攫われ
星月夜も 見当たらない 真の闇の夜に 佇む
そうして 疲れ果て 膝を抱えて 眠りに沈み落ちていく


そんな ぼくらに
東より 日出る  
ああ そうだった
夜は 明けるし 春風もまたやってくる
ぼくらを 包む まあるい循環
天秤で 計れない 不可思議な釣り合い
まあいいさ 不思議なら不思議なままにしておこう
その 不思議さが また 夢への扉を 叩く


扉が 開いたら 
さあ また 出掛けよう
ぼくらは 再び あの光に出会うだろう
眩しさに眩み ふいと 顔を背けるが
横顔で ふわりと 微笑む
ああ、これだ 
ぼくらが 心底 愛して止まない 光
その光を有した空は ぼくらを 裏切らない
空は ぼくらの 上にある
ぼくらは いつだって 見上げればいいんだ
そう これが 向日的な ぼくらの 日常

負けないように。

   負けないように
 倒れないように
 挫けないように
 最後に 「平気だよ」ってにっこり笑って歩き出せるように
   この一歩を踏み出す
  
 でも
 待って 待って 忘れないで
 歩いていくあなたの邪魔をするつもりはないけれど
 待って 待って 連れて行って
 見えない 届かない 身体の奥で 幾多も傷つき
 涙を流し続けている あなたの心を 置いて行かないで
 困らせるつもりも 悩ますつもりもないの
 ただ 忘れないで
 本当は ボロボロに擦り切れ 今にも風にさらわれそうな
 哀れなこの心を
 お願い
   どうか そっと 持っていって

未来を。

未来を不安に思うわたしは


未来へ続く時間を食い漁る


過去を悔い嘆くわたしは


過去へ続く時間の中に彷徨う


忘れている


忘れている 今


積み重ねてきた この一瞬を


どれだけ落してきたのだろう


どれだけ見過ごしてきたのだろう


どれだけ逃げてきたのだろう


長く長く続くこの道で


いつも


この一点だけが 全くの空白だった。