I find.

浮かんだ言葉を綴ります。

星のない空。

星のない空を 
もう どれくらい 見上げてきただろうか
ないわけじゃないと みんな 知っている
ただ 見えないだけ


はるか 二千数百年もの昔から
ぼくらは 常に思惟する
思い浮かぶは
時空を超えてなお 変わらぬ問いかけ


でも 昼間は忙しい
働いて 話しあって
仲違いして 食事して 恋をして
神の恵みが さらさらと降り注ぐかぎり 
ぼくらは 歩みを止めない
そうして 空が赤く燃えだし
ほのかな灯りを 地上に 分かち始めたら
空は一気に燃え尽き 一足先に 静寂を得る
今日一日を振り返るに 十分たる 闇の沈黙
追って ぼくらも 得ていたはずだけど……


空は明るくなった
数多無名の星輝く空は もう見えない
暗かったら 不自由だろうな
暗かったら 怖いだろうな
暗かったら さみしいだろうな
そう思って 散りばめた光の粒は
ぼくらの不安をかなり払拭した 
そのかわり忘れてしまった 
暗がりの中にこそある 愛を


ぼくらの根源的な問題は 
闇夜と対峙して生れる産物
答えは 孤独と恐怖に耐えて
初めて 訪れてくるものかもしれない


問いかけは もう 要らない?
いいや これからさき
あるかわからない二千年後だって 
きっと ぼくらは 相も変わらず 思惟していることだろう

土から。

土から 芽を出し 


花を咲かせ 種を落とす 


そして 枯れる


当たり前の 生命の営みに
 
誰も悲しみに暮れない


ぼくらは 自然の一部である


ならば


ごくごく 自然に そう ありたいと願う


なのに 


いたずらに ココロを 持つが故


散りゆく様は どうしても 悲しすぎるんだ

巻き戻したおとぎ話

巻き戻したおとぎ話の中で
私は歌う


美しく彩られた物語の中で
私は笑う


幸福を迎える昔話の中で
私は踊る


何もかもありそうな現実で
私は落ちる


舞台の上で演じる私に
袖に居る私が 幕を下ろす


外に立つ私は 人の輪郭を持つ
主人公の心は 皆が在る底を漂う


私が行う全ては
名の分からぬ草が見る夢のようなものだろう