I find.

浮かんだ言葉を綴ります。

わたしは 探している。

わたしは 探している
ここには ないものを
どこにも ないものを


何だって 大概 わかるんだよっていう
この世界で
どうしても 見つけられないものを
わたしは 探している


小さな息吹は いつだって
そこいらじゅうに あったというのに
わたしは いつも 見上げていた
だって 空は どこまでも どこまでも
澄み渡って 青いから
だから 希望は いつだって その彼方から
やってくるんだって
空を見上げるその足で
わたしは どれほどの 芽を 踏みつぶして
きたのだろうか


こんなに 歩いてきたのだから
もう 大して 変わらないことも
もう 大して 残らないことも
もう よく わかっている
足の裏が 踏みしめる大地が
いくら その姿を隠そうとも
地に着いている以上
わたしは そこに 居たのだから


そして それでも まだなお
わたしは 探している
ここには ないものを
どこにも ないものを
探しても ないものを

あの頃 ぼくは。

あの頃 ぼくは 何も怖くなかった
だって そうだろう
透明な 柔らかい 被膜に 守られて 漂っていたもの
でも なんでだろう
こんなに心地がいいっていうのに
もしかしたら
外の世界は もっと素晴らしいんじゃないかって
勝手に思い込んで
もう十分だろうってときに
ぼくは あっさり この被膜を け破ってしまって
そうして 破った後の 寒々しさったら ほんと ないや


考えた以上に ぼくだけの世界は 困難で
上手くいったようで 暗澹たる結末を招くことばかり
それでも 自分のことだから 
まあ 半円描いて 腹に収めよう


けれど 或る時
この手に 抱きとめた 一粒の光の 重いこと
ぼくは びっくりして 余程 強く 抱きしめた
小さくても 揺るぎなく 打ち続く鼓動
最早 取り消すことなどできない


ぼくは 初めて 怖くなった
ぼくは ぼく自身が 失われることを 恐れた


ぼくが 居なくては この光は すぐに 消えてしまう
ぼくが 在るのは 決して この光を 絶やさぬため
ぼくは ぼくより 大切なものを 見つけた
ぼくは ぼくだって大事であったことが ようやく 分かったんだ


この光が 灯り続けるために 
ぼくは そっと 透明な 柔らかい 被膜を かけた
この皮膜は 彼女が もう要らないと け破るまで
彼女を包み続けることだろうそう 
そう あの時 彼女が ぼくにそうしてくれたように

幸せを完結しない。

幸せを完結しない


すると、わたしの背中に羽が生える
昨日まで、灰色の鉛を飲みこみ
冷や汗をたらしていた わたしが消える


もしかしたら わたしはきっと幸せで
もしかしたら わたしはきっとついてない
どっちでもいいのか


唯一絶対譲れないものがある気がする
でもそれすら わたしの意志に背くものだ


道徳的責任と心ある傍観  
うまい具合にバランスを取ろうとするわたしは慾深い


だから
幸せを完結しない、これがいいのかもしれない